ワンちゃんの筋トレ&脳トレ

過去のJKCの会報『Gazette』に掲載されていました「筋トレ・脳トレ」の記事をまとめてみました
(記事を写真に撮ったので多少画像が荒くなってます)

会報をお持ちの方はもちろん
お持ちではない方も是非ご覧になって試してみてください
 


まずは老化度チェック

10歳前後によくみられる老化の初期症状をチェックしてみましょう

■ 目:目の澄んでいますか?
   0点:澄んできれい
   3点:光が当たると白濁しているように見える
   5点:黒目が白くなっている

目の老化では『白内障』が多く見られます
『白内障』になると黒目が白く濁ってきますが
初期は光の下で白濁しているように見える程度です


■ 口:歯石・口臭は?歯茎はきれいですか?
   0点:口臭がなく・歯や歯茎もきれい
   3点:歯石が少しついている
   5点:口臭がある・歯石がかなり溜まっている


歳をとると唾液の分泌が減る為歯周病にかかりやすくなります
口臭・歯石の有無もチェックしましょう


■ 被毛:毛艶は?
    0点:つやつやしている
    3点:毛艶が悪くなってきた
    5点:ぱさついている


加齢により 毛艶が悪くなって徐々にぱさつくようになります 白髪も出てきる場合も


■ 歩き方:シッカリ歩けていますか?
     0点:普通に歩いている
     3点:歩き方のバランスが悪い・左右の太ももの太さが違う
     5点:足を引きずる音がする・後ろ足の甲が汚れてる


普通に歩いているように見えても左右の筋肉の付き方が異なってきてバランスが悪くなります
足腰が衰えてくると足を引きずる事も 以前より後ろ足の甲が汚れやすくないですが?


■ 段差:上がり下がるは出来てますか?
    0点:気にしないで歩いている
    3点:段差の上がり下がりの前に一瞬立ち止まる
    5点:段差があると歩かない


足腰が弱ってきたり 視力が衰えてきたりすると
段差を嫌がるようになります


■ 睡眠:昼間も眠っている?
    0点:横になっていても物音ですぐにおきる
    3点:横になって眠っている時間が増えた
    5点:呼んでもなかなか起きないほどぐっすり眠ってしまっている


歳をとるとだんだん横になって休む時間が長くなります
そのまま放っておくと寝たきりになってしなう可能性も


■ 伸び:起きたとき 前足うや後ろ足を伸ばしてますか?
    0点:よく伸びをしている
    3点:伸びをしても 伸ばし方が中途半端
    5点:伸びをまったくしない


足腰の筋力が衰えると足を伸ばすことができなくなってきます



3点・5点の項目が当てはまる場合 一度獣医さんの診察を受けた方がいいでしょう

愛犬の老化の進み具合を把握しておくのは
より永く一緒に過ごす為に必要ですよ

知らないより知っておいた方が 気をつけてあげることも出来ますしね(^▽^)


【トレーニングを始める前に】

関節の痛み・疾患・その他の病気があるワンちゃんは行わないでください
体調が悪い日は行わないでください
休養日を作って 毎日はやめましょう

《時間とやり方の目安》
 紹介するトレーニングの中の1つを1週間に1回〜2回がいいでしょう

 1回あたりの時間は
 筋トレの場合…ワンちゃんの集中力と関節への負担を考えて 長くても3分〜5分
 (例えば:1分トレ・1分休憩・1分トレ・1分休憩・1分トレ=5分)
 脳トレの場合…30秒間で十分な効果があります
 それ以上の時間・回数・頻度は体への負担が増えます


 やり過ぎないように時計を使って管理しましょう


《終わり方》
 筋トレ・脳トレも少しの時間でも ワンちゃんは疲れを感じます
 疲れが出るより前にワンちゃんが「もうちょっとやりたな」と思っているうちに終わりましょう


《こんなワンちゃんは注意》
 シーズー・パグ・などの鼻の短いワンちゃん
 テリアなどのやる気満々で遊び好きのワンちゃんは楽しすぎて ついつい長くやり過ぎてしまいがち
 呼吸が荒くなっていないか確認してください


筋トレ

寝たきりを防ぐために!

高齢の子だけでなく太り気味の子・お膝が弱い子にもおすすめですよ

お散歩で筋力を保ちつつ 雨の日や寒い日は室内で遊び感覚で筋トレしませんか?


「またいでくぐる」

飼い主さんは足をV字に開いて座り
鼻先のおやつで誘導しながらゆっくりとワンちゃんをまたがせ 往復させます
大切なのは ワンちゃんがジャンプしないようにゆっくり誘導する事
(ジャンプすると足腰に負担をかけることになります)

おやつを持っている手を早く動かすとジャンプしてしまいます


@ワンちゃんの体の大きさに合わせて ひざを曲げて
 その上をまたがせるのもいいです
A低くかがんだり 腹ばいになるほふく前進でひざの下をくぐらせるのもいいでしょう
 足をまたぐよりも全身の筋肉を使うことになります

●ポイント
最初のうちは少しずつ鼻先のおやつを食べさせながらトレーニングし
慣れてきたら「またいだら」「くぐったら」「往復したら」などのタイミングで与えましょう

*「おいで」などの指示語でしつけている場合は
 使わなない方がいいでしょう
 指示語を使うとワンちゃんが急いでしまうことがあります



「毛布をまたぐ」

毛布やタオルなどで障害物を作り その上を1歩ずつゆっくりとまたがせます
ワンちゃんの大きさに合わせて高さなどを調節しましょう
「またいでくぐる」同様 おやつでゆっくり誘導しましょう


「段差を上がり下がり」

段差を作り おやつで誘導しながら ゆっくりと段差の上がり下がりさせます
段差の高さは 高すぎると跳んで足腰に負担をかけてしまいます
跳ばなくても上がれるくらいの高さ
片足ずつ確実に上がれる高さにすることがポイント
段差の奥行も広々と取りましょう
4本の足をきちんと乗せられるくらいの奥行が理想的


「不安定な場所に立つ」

@厚手のマットレスや座布団の上など やわらかくて足元が不安定な場所にワンちゃんを立たせます
バランスが取りにくいため 全身の筋肉を使い 体幹を鍛えます
後ろ足を鍛えるには 座りそうなときにお腹を支えて座らせないようにします
また 首を下げると重心が前足側に偏るため
おやつを使って顔をあげるようにします

A上手に立っていられるようになったら
マットを少し揺らしたり お手をさせて3本足で
たたせたり

B毛布やタオルなどで障害物を作ってまたがせたり
段差を作って上がり下がりさせたり
バーなどを使って後ろ足を上げる事を意識させたりするといい運動になります


「座って・立って」

正しい姿勢で「座る」「立つ」を繰り返す
(足腰の筋肉を左右均等に鍛えます)
まっすぐ座り・まっすぐ立ち上がれるように おやつで誘導
壁と飼い主さんの間にワンちゃんを位置させ足を投げ出さずに座らせましょう


脳トレ

認知症を防ぐために!

においは鼻を通って脳に直接刺激します
飼い主さんとコミュニケーションをとりながら楽しくトレーニング


「知育玩具を使ってみよう」

中におやつを入れて 転がすと少しずつこぼれ出るワンちゃん用知育玩具

何とか食べようと 鼻でつつたり 前足を使って転がしたりします
嗅覚で脳を刺激するだけでなく 全身運動になります

夢中になって遊ぶようなら 分離不安のワンちゃんのお留守番にも便利ですよ



「毛布でおやつ探し」

毛布の下におやつ隠し 鼻を使って探させます
毛布をどうすればおやつが出てくるのか ワンちゃんに考えさせます

@最初はおやつを取り出しやすいように毛布の端に隠します
「ここにあるよ」など声をかけながら隠すところを見せ
「どこかな?」と声をかけながら探させます
見つけられたら「あったね」っと飼い主さんも喜びましょう
(なかなか見つけられなかったら 飼い主さんが毛布をずらしてあげましょう)

A慣れてきたら難易度を上げて毛布の中央におやつを隠します
(この時も「ここよ」と声をかけながら隠します)

もっと難易度を上げるなら ワンちゃんから離れた毛布の端におやつを隠してみましょう


パグなどの鼻の短いワンちゃんには このトレーニングは不向きです


「どっちの手ある?」

左右どちらかの手におやつを握り においをかがせて当てさせ 手を開いて食べさせます

当てることが目的ではなく 鼻を使って飼い主さんとコミュニケーションを取ることが大切!

最初のうちは両手におやつを持って 鼻を近づけたらごほうびでおやつをあたえ
慣れてきたら片方におやつを持ってみましょう
ワンちゃんの目の前で持ち替えるのも楽しいです

「どっち?」などと声をかけながらにおいをかがせて
「こっち?」「ほんと?」っと声をかけてワンちゃんに考えさせましょう
当たったら「すごいね〜」っと褒めて一緒喜びましょう
外れたら「残念だね」と声をかけて再トライしましょう

当たって楽しいところで終わりましょうね



「コップでおやつ探し」

神やプラスチックのコップを3つ並べ コップを伏せます
1つにおやつを隠して「どれかな?」と探させます
鼻でコップを押す子もいれば 前足でコップを倒す子もいます

ワンちゃんの目の前でコップを入れ替えたり 動かしたり
当たるたびに褒めてあげてください


コップを上向きにして その中におやつを入れて
どうやって取り出すか
ワンちゃんに考えさせるのもいいでしょう


「かくれんぼ」

ワンちゃんを座らせて 飼い主さんが隠れて
「○○ちゃん(君)おいで」と名前を呼んで探させます
ワンちゃんが見つけられたら褒めてご褒美をあげてください
探さずにウロウロしていたら「○○ちゃん(君)の負け」などと言いながら出ていき もう一度挑戦させましょう

ワンちゃんが元気で動き回れるなら
ワンちゃんの方に隠れてもらうのも楽しいです
大きな布をワンちゃんに被せ
飼い主さんが離れた場所から名前を呼んで声をかければ
ワンちゃんは布から抜け出そうと頑張ります
おやつやおもちゃを使って呼ぶのもいいでしょう

「じゃんけん遊び」

新しいトレーニングをする場合 今までワンちゃんが知っている言葉を
別の言葉に置き換えて教えるとわかりやすいので
そのコツを紹介しましょう

すでに「お手」をマスターしている状態から
「ぱー」に置き換えるには
「お手」を「ぱー お手」に言い換えます
繰り返すうちに「ぱー」と聞いてお手をするようんあります
「おかわり」もどうように「ちょき」に置き換えます

「ぐー」はあらかじめ鼻先を手にタッチすることを別に教えます

この3つが覚えられたら
「ぐー」「ちょき」「ぱー」をランダムで出して
『じゃんけん遊び』ができます
とてもよい脳トレになります


他にも お散歩コースを少し変えてみる事もいい刺激になります
(土や芝生の方が足腰に負担がかかりにくいですよ)
無理はせず その日の体調に合わせる事が1番大事です

寝たきり・認知症防止の為にも適度な刺激は大切ですが 過剰な刺激は逆効果になってしまいます

筋トレにしろ脳トレにしろ
「今出来ている事が来月も来年も出来るといいね」位の気持ちが調度いいですね